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『水族館へ行こう!』第2回目は、室蘭市にある『室蘭民報みんなの水族館(市立室蘭水族館)』のレポートです。
こじんまりとしたレトロな雰囲気漂う地味な水族館ですが、それもそのはず、なんと北海道最古の水族館なんです。
どんな水族館なのか、ちょっとのぞいてみませんか?
室蘭民報みんなの水族館って、どんな水族館?
水族館の歴史とコンセプト
室蘭民報みんなの水族館(市立室蘭水族館)は、1953(昭和28)年に「北海道立水族館」として開館しました。
現在は、一般社団法人室蘭観光協会が管理運営を行っていて、令和5年4月1日から、室蘭市と株式会社室蘭民報社とのネーミングライツ契約により、当水族館の愛称が「室蘭民報みんなの水族館」となったようです。
水族館のある絵鞆半島は室蘭港の一端にあり、大正時代は捕鯨がさかんな地域でくじら解体処理場があり、その跡地を利用して建てられた歴史があります。
水族館には、道内・室蘭近郊に生息する生物や、本州方面に生息する珍しい熱帯魚など約120種類を飼育・展示。
その中でも室蘭水族館のシンボルフィッシュになっている「アブラボウズ」は、太平洋側などの深海に生息している魚で、昭和44年8月より全国の水族館に先駆けて展示されています。
アブラボウズは、カサゴ目ギンダラ科に属する深海魚で、体内に大量の油分(体の約40%を占める)を蓄えています。
40%とは、すごい油の量ですよね。
名前を聞くとちっとも美味しそうな魚とは思えませんが、市場では高級魚として高値で取引されているそうです。旬は秋から春で、寒い時期には様々な料理で活躍します。
しかし、脂分が多い魚のため、食べすぎると腹痛や下痢、皮脂漏症を引き起こす可能性があるので、気を付けてください。
あら。私はお腹が弱いので、遠慮しておこうかな。
館内の水槽展示は、開館当時に一般的だった車窓風の展示スタイルを今も残しているので、当時を知る方々には懐かしさも味わえるという「家族で楽しめる」施設となっています。
おじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんと訪れても楽しそうです。
アクセスとバリアフリーはどうなってる?
室蘭水族館は、室蘭駅から車で10分の距離にあります。
室蘭ICからは、車で15分ほどです。バスの場合は、道南バスみたら・水族館前バス停から徒歩で5分となります。
すぐ目の前に、道の駅「カナスチールみたら室蘭」があるので、セットで楽しむことが出来ます。
入口前に「身障者用」駐車スペースが2台分あります。
駐車場は、水族館の規模から言うと、広めではないでしょうか。
入園料は大人400円という、超良心的です。
障害者手帳持参で、本人及び介助者1名までは無料です。
水槽が展示されている本巻建物の入口には、スロープがあります。
どんな生物が展示されているの?
館内に入って右側には、くらげのコーナーがあります。
くらげって、見てるだけで癒されますよね。
1階は海水魚の展示がされています。
暖海に生息する魚・深海に生息する魚・寒海に生息する魚です。
いちばん奥のメイン水槽(深海)に、冒頭で紹介した「アブラボウズ」がいます。
日本ではじめて飼育に成功したのが、室蘭水族館なのです。
日本でも「アブラボウズ」を複数展示している水槽は、ほとんどないそうです。
その他、スケトウダラやオオカミウオ、カサゴやシマソイなど食べても美味しい魚たちがたくさん展示されています。
1階は、北海道に生息している魚が中心のようです。
飼育員さんのPOPの解説も楽しいです。
その魚の美味いか否かを☆印で表しているのが愉快です。
2階は南国っぽい雰囲気で、淡水性の世界の熱帯魚が展示されています。
鯨類の展示・解説コーナーがあり、イチョウハクジラの骨格標本もあります。
室蘭ではホエールウォッチングができる時期があり、『くじらん』という市の公式キャラクターもいます。
クジラと縁が深いんですね。
残念ながら、2階に行くには階段しかないため、車いすでは見学できません。
楽しいイベント&みどころはこれだっ!
水族館には、魚が展示されている本館のほかに、外の展示と楽しめるイベントがあります。
全体マップはこんな感じで、決して広い敷地ではありません。
とってもキュートなペンギンの行進
室蘭水族館のペンギンプールで暮らすペンギンたちは、フンボルトペンギンです。
フンボルトペンギンは、南アメリカ沿岸地域の温帯に生息しており、日本の気候で飼育しやすいため、日本でもっとも飼育頭数の多いペンギンであり、飼育頭数は70以上の施設で1600羽を超えているといわれています。
しかし、フンボルトペンギンは、エサとなる魚の乱獲や気候変動、営巣地の破壊など、さまざまな要因によって絶滅危惧種に指定されているそうです。
ペンギンの行進は、水族館の人気イベントで、1日2回(11:00と15:00)に開催されています(※状況により急遽中止の場合あり)
園内約100mの散歩コースをいろいろな障害物を乗り越えながら、ペンギンたちが往復するのですが、そのヨチヨチ歩きがなんとも愛らしいんです。
ペンギンの行進が見られる施設は、それほど珍しくはありませんが、室蘭水族館ではペンギンたちと見学するお客さんとの距離が近いので、見学しやすいです。
お子さんたちは、きっと楽しい思い出ができますね。
遮るものがないので、車いすでもストレスなく見学することができました。
伝統あるトドのショー
その昔、室蘭水族館には文字書きの名人のトド、ランが人気を博していました。
マジックを先端に取り付けた小道具を口にくわえ、約50センチ四方のホワイトボードに「トド」と横書きする芸です。
ランが亡くなった後、ランの娘であるマリンがこの芸を受け継いだほか、フリスビーの技などを披露し、室蘭水族館の人気者となりました。
私が以前、文字を書く姿を観たのは、たぶんこのマリンだったと思います。
びっくりするほど器用に文字を書くのです。
マリンは、2019年より繁殖を目的に小樽水族館へ貸し出され飼育展示されましたが、2023年に事故で溺死したそうです。(室蘭水族館日記より抜粋まとめ)
可愛がって育て芸を教えた飼育員さんの気持ちを考えると、心が痛みます。
マリンちゃん、ありがとう。安らかに。
現在は、もぐちゃんがターゲットジャンプや輪投げなど披露しているそうです。
私たちが水族館を訪れた頃は、ちょうどトレーニング中でした。
芸をするトドは、室蘭水族館の伝統なのでこれからもずっと続いてほしいです。
トドのほかにも、ゴマフアザラシやゼニガタアザラシのプールもあって、可愛らしい姿を見せてくれます。
昭和レトロな乗物たち
園内には、ちいさなお子さん向けの遊園地もあります。
メリーゴーランド観覧車 | 200円 | ||
ティーカップ | 160円 | ||
豆汽車 | 80円 |
別料金ではありますが、格安です。
まるで昭和にタイムスリップしたような昔の遊園地は逆に新鮮で面白いです。
創業70年を超える名物グルメ『つぶ焼き』
室蘭水族館には、ここでしか味わえないグルメがあります。
園内で70余年営業を続ける売店「つぶ焼き池田」です。
つぶ貝を自慢の醤油ダレでじっくりと炭火焼きして、アツアツのものを販売しています。
室蘭やきとりやカレーラーメンと並び、昔から市民に愛されるソウルフードとのことです。
地域の皆さんが慣れ親しんだ「変わらない味」を味わうのもいいですね。
室蘭水族館については、下記のYouTubeで紹介しています。
ぜひご覧ください。
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終わりに
- シンボルフィッシュ「アブラボウズ」の展示
- 現代では珍しくなった車窓風の展示スタイルを今も残す
- 可愛いフンボルトペンギンの行進
- 伝統のトドのショー
- 昭和の香りがする懐かしい雰囲気
- ここでしか食べられないグルメ『つぶ焼き』
- 身障者用駐車スペースが正面にわかりやすく設けられているのは〇
- 本館2階は階段のみで、車いすでは上がれないのでエレベーターが欲しい
- トドショーも階段があり、車いすでは厳しい。
ペンギンの行進は、車いすでも楽しむことができます
室蘭民報みんなの水族館(市立室蘭水族館)
住 所:北海道室蘭市祝津町3丁目3-12
0143-27-1638
※最新情報は公式HPを確認願います
公式サイトURL:http://iburi.net/murosui/index.html
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